げっけいじゅ (月桂樹) 

学名  Laurus nobilis
日本名  ゲッケイジュ
科名(日本名)  クスノキ科
  日本語別名  ローレル、ローリエ
漢名  月桂(ゲツケイ,yuèguì)
科名(漢名)  樟(ショウ,zhāng)科
  漢語別名  香葉
英名  Bay tree, Sweetbay, Victor's laurel
2006/01/15 薬用植物園

雄株   2008/04/15 小石川植物園
雌株   2007/04/12 明治薬科大学薬草園

 ゲッケイジュ属 Laurus(月桂 yuèguì 屬) には、2種がある。
   ゲッケイジュ L. nobilis(月桂)
   L. azorica
アゾレス諸島産 
 クスノキ科 Lauraceae(樟 zhāng 科)については、クスノキ科を見よ。
 和名ゲッケイジュは、漢名の月桂に基づく。
 漢名を桂(ケイ,guì)という樹木は、本来モクセイ科モクセイ属及びクスノキ科クスノキ属のいくつかのものを指し、ゲッケイジュは本来の桂ではない。
 漢名を桂という植物については、モクセイ属の訓を見よ。
 英名ローレル laurel・仏名ロリエ laurier・独語 Lorbeer は、ラテン語の laurus から。学名、同。
 地中海北部沿岸地方(トルコ・ギリシア・イタリア)に分布。シネオールなどの油を含み、芳香を持つ。
 中国では主に華中で栽培されている。
 日本には明治38年(1905)ころフランスから、ハーブとして導入された。
 明治39年
(1906)日露戦争戦勝記念樹として、東郷・上村両大将により日比谷公園に植えられ、有名になった。
 葉・果実から芳香油を採り、食品や石鹸の香りづけに用い、また工業用にする。
 葉はベイリーフ bay leaf と呼び、生のまま あるいは乾燥して、香辛料・香味料として用いる。実は、月桂実と呼び、薬用にする。
 ギリシアのオウィディウス Ovidius(43B.C.-17A.D.)『転身物語 Metamorphoses』によれば、テッサリア河神ペネイオスの娘ダフネ Daphne は、アポロン Apollon に恋慕されたがこれを拒み、追いつめられて月桂樹に変身して身を護ったとされる。これよりゲッケイジュはアポロンの聖木となり、ダフネはこのゲッケイジュの名となった。
 ギリシア・ローマでは、体操や詩の競技の勝利者に、月桂冠 laurel wreath
(ゲッケイジュの枝葉を編んで作った花輪、花冠) が授けられた。ヨーロッパでも、第一級の詩人たちは「ゲッケイジュの冠を戴く者」と考えられたが、イギリスでは17世紀から桂冠詩人 poet laureate が制度化された。

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